第4章 「 かたおもい 」 西谷夕
「はぁ…。」
「どうしたの?」
ため息をつく私に潔子が声をかけた。
「あ!いや!なんでもない。もうすぐ、卒業だな~。と思って。」
「ああ、そうだね。真由ちゃんは短大だっけ?」
「そう。潔子とも離れちゃうし、寂しいんだよね。」
「西谷にも会えなくなるしね。」
潔子がナチュラルに言った一言に耳を疑った。
「え?ノヤ??なんで??」
「なんでって…?好きなんだよね?」
えー?!
ちょっと待って、何!何で!!
開いた口がふさがらない私を見て潔子が口を開く。
「…まさかとは思うけど、バレてないと思ってたの?」
その言葉にうなずくと
「ぜんぜん、隠しきれてないよ?」
と、潔子は笑いながら言った。