第14章 「 怒涛の一日 」 菅原孝支
時刻は23時。
それは、突然の電話だった。
「あ!もしもし!!スガ?」
「おー!久しぶり!!。」
「ねえ、今、どこに住んでる?!」
「え?えっと、仙台。」
「明日暇?」
「うん。」
「今、彼女いる?!」
「いませんケド…。」
「よし、明日、朝10時に仙台駅来て!いい?」
「え?!なんで?!」
「いいか、悪いか!!どっち?!」
「えっと、いい…です。」
「はい、よろしくね!!」
そう言うと、真由は電話を切ってしまった。
本当に久しぶりの電話。
最後に会ったのは…5年前にバレー部のOB会を開いた時だ。
高校を卒業して10年。
もう28歳。
っていうか、10年も経ってるのか。
時間が経つの早いな…。
そう思って鏡を見る。
うーん、やっぱり大人になったよな。
あの頃の監督より年上なわけだし…。
俺と真由は高校の時、同じバレー部だった。
俺は選手で、真由はマネージャー。
あの頃、真由は部内でもマドンナ的存在でみんなの憧れだった。
と言っても、当時、真由には他校の彼氏がいたから手の届かない存在だったけど。
5年前に会った時も、キレイになってたよな~。
まあ、さっきの電話の感じだと、中身は高校の頃から変わらず、破天荒なのかもしれない。
何の用かわからないけど、会えるのはちょっと楽しみ。
いや、だって、ほら。
一応、初恋の人?みたいな。
しつこく、今も心のどこかで思ってるところもある。
っていうか、真由も俺の事好きで呼びだした・・・・!
って、そんなわけないよな。わかる。いくらなんでもわかる。
好きな男を呼びだす電話じゃなかった。
「朝、10時に仙台駅。」
さっきの約束を口に出して確認し、眠った。