第11章 「 さんかく 」 影山飛雄*月島蛍
「え?!どうしたの、急に。」
驚く僕を見て、石井さんは拳をぎゅっと握った。
「本当に、じっくり考えたの。今、誰のことを思って、誰と一緒にいたいって思ってるのか。
ツッキーが優しくしてくれたり、笑ってくれたり、一緒に喋ったり、ごはん食べたり、電話やメールで連絡取ったり……そういう時間が幸せで。嬉しくて。
最近そういう時間がないことがとても悲しくて。寂しくて。つらくて。
ツッキーは、もう、私のことなんて、なんとも思ってないのかもしれないけど。でも、また、好きになってもらえるように頑張るよ。
友だちとしてじゃなくて、恋人として、一緒にいさせてもらえるよう、頑張る。
今日はね、それを宣言しにきたの。」
そう言うと、石井さんは笑った。