第11章 「 さんかく 」 影山飛雄＊月島蛍

私は、自分の部屋で悩んでいた。
飛雄に「好き」と、言われるなんて全くの予想外。
というか、嬉しすぎる話だ。


飛雄は、不器用ながらも気持ちをストレートに伝えてくれた。
最近、私を好きだと気が付いたこと。
ずっと一緒にいたいから、幼馴染でいようとしたこと。
あの日、私に言われたクセを出さないよう、細心の注意を払って、話したこと。


とても嬉しかった。
とても
とても。


でも、「私も飛雄が好き」と言うことはできなかった。
どうしてだろう？

少し前の私なら、すぐにそう言っていたと思う。

でも、


「どうして…。」



今も飛雄のことを考えていても
頭の片隅に浮かぶのは、別の顔。


「よく、考えて。」


飛雄の言葉が頭をよぎる。

よく、考えよう。