第1章 「 先輩 」 菅原孝支
「今日、二人で飲みに行こう~」
先輩から
そんな連絡が入った。
先輩に呼び出されるの、久しぶりだ…。
真由先輩は高校時代の部活の1つ上の先輩。
先輩はマネージャーとして部員を支えていた。
優しくて 明るくて かわいくて
俺ととても気の合う先輩だった。
俺は先輩のことが好きだったけれど
気持ちを伝える勇気なんてなくて
面倒見のいい先輩にかわいがられる後輩
その縮図の中で生きてきた。
今もその関係性は変わらないまま、
というよりも、むしろ、大学生になり、環境も変わったことで
なかなか会うことはできず、連絡もとらない日々が続いていた。
今でも先輩に絶賛片思い中、でも、自分から連絡をする勇気のない俺は嬉しかった。
先輩に「ふたりで」という条件付きで呼び出される時には共通点があった。