第2章 「 幼馴染 」 山口忠
「俺、何やってもだめでさ。かっこ悪いところばっかりだよね。」
突然、俺がそんなことを言いだしたから
真由ちゃんは驚いた顔をしたけれど
すぐにいつもの優しい顔に戻って口を開いた
「私、忠くんはかっこいいと思うよ?」
「え?!何で?!」
「誰にでも優しいし、意外と度胸があるっていうか…。ほら、さっきみたいにさりげなく私のこと助けてくれたのとか!バレーの試合の時、本当にかっこいいもん!」
「俺、別に誰にでも優しくはないよ。」
「そんなことないと思うけどな。私は、いつも忠くんに優しくしてもらってるし!」
「それは…」
言葉の続きが気になって、俺の顔をのぞきこむ真由ちゃん
その姿も、本当にかわいくて、愛おしくて
俺は深く息を吸って
覚悟を決めた
「真由ちゃんのことが好きだから、誰よりも大切に、優しくしたいって思うんだよ。」
「え?」
「さっき真由ちゃんが言った 好き とは種類が違うのかもしれないけど。俺、本当、子どものころから大好きで。好きで、好きで、大好きで。」
そこから先の言葉が出てこない
俺って本当にヘタレ
肝心なところでダメだ