第11章 「 さんかく 」 影山飛雄*月島蛍
あのときは、勢いで連絡先まで教えてしまったけど。
どう考えてもやっぱりめんどくさい。
しかも、男女の友情なんて存在しないと思うんだよね。
ちょっと影山にひとこと言ってやる。
僕は部活が始まる前に部室で影山が来るのを待ち伏せた。
「王様、ちょっといいかな?」
扉が開いて、影山を確認した瞬間、僕は口を開いた。
影山は、少し驚いたような顔をすると、僕から目をそらした。
目をそらすって、「悪いことしたな~」って思ってるってことだよね?
「なんだよ。」
「“なんだよ”じゃないでしょ?わかってるよね?」
「・・・・悪かった。」
「悪かった?!悪いってわかってるんだ。へー。そう。ふーん。どうなっても知らないからね。」
僕は影山にそう言い捨てると部室を出て行った。