第11章 「 さんかく 」 影山飛雄*月島蛍
昼休み、食堂へ行くと影山とひとりの女の子が一緒にいた。
その女の子のことは見たことがあった。
よく、試合の応援にも来てくれる、影山の幼馴染だ。
影山が彼女を見る目はいつも優しい。きっと、影山は彼女のことが好きなんだと思う。
その、幼馴染が一緒にいるってどういうこと?
「ねえ、王様。聞いてないんだけど。」
「いや、話しただろ?友だちが月島と仲良くしたいって言ってるって。」
「女の子っていうのを聞いてないんだけど。」
「ああ。言ってないから。」
当たり前のように言う影山。
こいつ、自分の好きな女を僕に紹介するの?
何?バカなの?ああ、バカなのか。