• テキストサイズ

【HQ】ストロベリーシンドローム

第11章 「 さんかく 」 影山飛雄*月島蛍


今言ったことはもちろん嘘だ。
でも、真由に自分の気持ちを伝えるなんてできない。
俺が今まで、気持ちに気づかないようにしてきたのは、真由と今の“幼馴染”という関係をやめたくなかったからだ。

この気持ちを言ってしまえば
もう、二度と真由は俺に笑いかけてくれないかもしれない。
仮に、真由と付き合えたとして、それはいつまで?
まだ、高校生。
そこからずっと付き合いを続けて、結婚して、死ぬまで添い遂げるなんて、誰が保障してくれる?

一生、仲良く居続けるには“幼馴染”が一番だ。
それなら、結婚したって、子どもが生まれたって、家族ぐるみで付き合いが続けられる自信がある。

だから、俺は今まで通りを続けるために、一生“幼馴染”で居続ける選択をした。

さっきまで真由が横になっていたベッドに寝転がる。
少し、温かい。


後悔は、しない。
でも、今日だけは・・・。


俺は、声を押し殺して泣いた。
/ 260ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp