第2章 「 幼馴染 」 山口忠
「おはよう!忠くん!」
教室へ向かう途中
聞きなれた声に胸が高鳴った
「お、おはよう。真由ちゃん…。」
俺が答えると真由ちゃんは笑顔で話しを続ける。
「最近さ、あったかかったから。薄着してきたんだけど、寒いねー!」
「天気予報見ないから…。今日は寒くなるって言ってたよ?」
「え?そうなの?!知らなかった!!」
真由ちゃんと俺は幼馴染。
かわいくて、気が利いて。
みんなから愛される真由ちゃん。
俺は、そんな彼女のことが子どもの頃からずっと好きなんだけど
気持ちを伝えられないまま。
正直、真由ちゃんには、子どもの頃からかっこ悪いところ、たくさん見られてるし
俺のことは本当にただの幼馴染としてしか見てないんだろうなあ。