第9章 「 ひみつのノート 」 及川徹
「…はぁ。わかった。」
「え?!ほんと!!いえーい!!」
「ただし、約束があります。」
「何?俺、ちゃんと守るよ!!」
「このことは、誰にも言ったらダメ、見るのも絶対ひとりで見て。その約束が守れないなら無理。そしてできれば見終わった瞬間に内容を忘れて。」
「見終わった瞬間に内容忘れるのは無理だと思うけど…。誰にも言わないし、ちゃんとひとりで見る。」
及川くんは、私の目を見て、ちゃんと約束をしてくれた。
「じゃあ、はい。」
観念してノートを渡した。
「ありがとう!!」
及川くんはそう言うと、ノートを受け取り、大切そうに鞄の中にしまった。