第4章 復帰と合宿とお猫様
そんな音駒勢の気持ちを想いを感じ取ってか、蛍はの肩を抱いてもう一度2人に礼を言って合宿所を後にした。
さっきまでのオコの蛍はどこへやら少し嬉しそうな蛍にホッとした。
でも知られてしまった羞恥心が襲ってくる。
『あ、あのね。そんなに大切にしていた訳ではなくて、いつも鞄に付けていたしそれでああいう“大切にしていた”っていう誤解が生じたというか…』
しどろもどろで説明すると蛍は引き続き機嫌よく答えてくる。
「どうでもよかったら鞄に付けないし、鞄を買い替えた時に付け替えないデショ。」
そのごもっともな返答にぐうの音も出ない。
「それに、お揃いの物を大切に持ってもらっていて嬉しいんだからいいデショ?それにその相手がなんだから。」
そう言われてジッと見つめられる。
蛍のあまりに真剣な視線に射抜かれた。
心が騒めく。
ドッドッドッと煩い位に騒ぎ立てる心臓の音が蛍に聞こえるんじゃないか。
一歩、二歩と蛍が近付いてくる。
そして抱きしめられる。
「早く僕のものになってよ。」
そんな切ない声に胸が締め付けられる。
キュンとする。
盗み見た蛍の表情は苦しそうで。
このまま答えを出してもいいのではないかと思ってしまう。
『あ、あの…』
「この空気に流されて、なんてやめてね。本当に僕の事が好きって気付いたらその時に返事を頂戴。」
私の考えまで全て見透かされたような蛍の言葉にグッと言葉が詰まる。
『ぎょ、御意。』
「だからなんで時々武士なわけ?」
そんなやり取りに抱きしめられたまま2人で笑い合う。
そのまま自然な流れで唇を合わせる。
こういう事をしている時点で恋人じゃないのだろうか…
いや確かに付き合う前でもキスとかハグはできちゃうしなぁ。
そんな私の反応を見てか、蛍からいきなり尋問される。
「ところで、音駒では抱きしめられたりキスされたりしてないよね????」
その強い語気に押されるが、音駒では確かに“キス”や“ハグ”はされていない。
……フェラとかはしたけど。
だから私は自信を持って答える。
『されてないよ!今回は無事!』
「上出来!」
そう嬉しそうに頭を撫でてくれた蛍に罪悪感が募る。
とりあえずあのことは伏せておこうと心に誓った←