第1章 壱
そんなこんなで1日は終わり、合唱練習が長引くらしい友達とは帰らず、一人歩く帰り道。
普段とは少し違うことをした。人がいないのをいいことに、道路の白線の上を落ちないようにバランスをとりながら歩く。
車がやってくる。
「うわっ、危ないなー落ちるところだったよ」
白線からね。別に落ちてもいいんだけどね。
なんかさ、白線とか縁石って上に乗って歩きたくなるよね。
車がきたのがいけなかったのだろうか、物凄く後悔した。
「うそ、ありえない!くさい!」
あ、アレじゃないからね、犬のアレとかそういうのではないからね。
今は秋。ここら辺にはイチョウの木がたくさんあって…分かるでしょう?ガムの次に踏みたくないヤツ。
「チクショー!銀杏め、これどう取るの」
ああ、このまま家帰ったら絶対玄関臭くなるじゃん。
私、銀杏が秋の味覚なのって考えられない。あまり美味しいとは思わないんだよね、焼いて塩振るのは何とか食べられるけど、茶碗蒸しに入ってるのは本当にありえない。
今度は自転車だ、後ろからやってくる。女子3人か
私は邪魔にならないように右端に寄る。
ヤってもおかしくないよあの二人
まじ、それな
でもまだ4週目でしょ。
「はあ〜」
こんな話が聞こえれば(しかも大きな声で話していた)ため息も吐きたくなる。
それに!せっかく端に寄ったのに、二人は横に並んで後ろにいる一人と話しながら、ゆっくり通り過ぎていくんだもの。
「…ほんと迷惑」
でも人のこと言えないのかな〜とか思っちゃう。
私も友達と帰るときは自転車が来るまで横に並んでるし…
いや、言えるわ。だって自転車が来たら一列になるからね。うん。
あ、また銀杏
今度は踏まないからね