第1章 [化け物]
私は壁にもたれ掛かって座っていた。
___やっちゃった。
私、お母さんにひどいこと言ったよね。
それでも、ずっと騙してたお母さんも悪いじゃん。
でも、お母さんなりにいろいろ考えていたのかも...
今日、勇気を出して言ってくれたんじゃないの?
...よし。謝ろう。
素直に「ごめんね。」って言おう。
そう思って立ち上がった。
____その時だった。
「ドォン...!!!!!!」
凄まじい音がした。
私は宙に浮き、そして地面にたたき付けられた。
「痛っ...」
起き上がろうとしたら、ありえないものが目に映った。
たしか壁は50mはあったはず。
巨人は入って来られない。
...はずだ。
____...なんで巨人が見えるの?
そして、また
「ドゴォッ!!!」
凄まじい音がした。
今度は岩やら何やらが飛び交っている。
...なんで?
ありえないよね?
目線を下にやると、壁に穴が開いていた。
は?
穴から巨人が入って来る。
そのとき、私に電流が走った。
「...お母さん!!!」
急いで家に帰った。
...お母さん。
もう、お母さんがいなくなったら...
私はどうしたらいいの?
親戚知らないし、頼れる人も___...
いやエレン達は今日会ったばかりだし。
とにかく走ろう。
そして、謝ろう...
今の時間、家に帰るとお母さんが夕飯をつくっている時間だ。
けど...
家は岩に潰されていた。