第2章 [別れ、そして出会いと再会]
「本当にー?」
アルミンが挑発するように言った。
「...頑張る。」
頑張る程かなぁ。
でも、人それぞれだよね。
「なぁ。」
ミカサとアルミンが言い合いしている最中、エレンが二人に聞こえないように言った。
「俺達のこと、怖いか?」
怖い?...私を助けてくれた三人が、怖いわけがない。
「怖くないよ。怖かったら今頃逃げだしてるよ?」
私は柔らかく微笑んだ。
「そうか...良かった。」
エレンも柔らかく微笑んだ。
刹那、胸が大きく高鳴った。
...何だろう?心臓発作か何か?
でも、健康診断では異常なかったし...。
もう一度エレンを見つめてみる。
「お前、あれからどうなった?」
あれから...?
あぁ、巨人が来たことだろうか。
「お母さんは巨人に食べられちゃった。」
...そう。逃げる最中、視界の端でお母さんが食べられたのが見えてしまった。
一生、忘れられないだろう。
「...そうか。俺もだ。
俺は巨人をこの世から一匹残らず駆逐して、狭い壁の中からでる。
...それが俺の夢だ。」
____...あぁ、あの時の。
あの時の少年だったんだね。
「私は...エレンの夢と少し似てるな。
...壁外に、おばあちゃん、お姉ちゃんがいるの。...もう血が繋がった人はいない。
だから調査兵団になって巨人を全滅させる。お母さんとお父さんの敵もとってやる。」
「親父さんも喰われたのか?」
エレンが聞いて来た。
あぁ、あの時はお母さんだったからね。
「お父さんは調査兵団だったんだ。
お父さんも吸血鬼の末裔だったんだ。でも喰われたんだって。」
エレンのお父さんは?
と、聞いた。
「行方不明だ。」
行方不明...か。
「見つかるといいね。」
「見つかるといい...か。...どうだろう。」
え、それってどういう意味?
聞こうとしたら、遮られてしまった。
「体が冷えて風邪を引いてしまう。はやくもどろう。」
さっきまで言い合いをしていたミカサが言った。
アルミンは白猫にパンをあげている。
「そうだな。戻るか。」