第2章 [別れ、そして出会いと再会]
エレンが連れてきた場所は、兵舎の裏側だった。
人気がなく、静かな場所だった。...ここに何かがあるようには思えない。
「ねぇ...」
ここ?、と聞こうとすると、ふわふわしたものが足に当たった。
「ニャァー...」
...え、ニャァ?
見てみると、そこには純白の子猫が私の足にスリスリしていた。
白猫が私の瞳の中に入ってきた瞬間、私の瞳は輝いた。
「わぁ、かわいい!」
私が抱き上げ、撫でると気持ちよさげに目を細めた。
「え...?」
アルミンが何故か驚いている。
「私達には中々懐いてくれなかった。ので、撫でさせてくれなかった。」
ミカサが言った。
そうなんだ?こんなに懐いているのに...?
「...きっとなれたんだ!俺にも触らせてくれ!」
エレンが白猫に手を伸ばた。
すると、私の腕からスルリと抜けて、
「フーッ...」
...威嚇しだしてしまった。
まぁまぁ。なだめるつもりで頭を撫でた。気持ちよさげに目を細めた。
昔から動物しか友達いなかったしなぁ...。
「お前さ」
エレンが唐突に言った。
「ちゃんと人と話してんのか?」
うっ、と言葉に詰まった。
「な、んで...は、話してるよ。」
多分、と後から小さく付け加えた。
聞こえないだろうと思ったが、大間違いだった。
「...多分?」
エレンがじとっとした瞳でみつめてくる。
...弱ったなぁ、皆に見透かされてる。
「...怖い。」
私は本音を言うことにした。
この三人になら話してもいい気がしたからだ。
私は続けて言う。
「もう化け物は嫌だ...。」
どうしよう。泣きそうかもしれない。
「...誰にだって言われたくないことの一つや二つはあるさ。
けど皆が皆、お前のことを化け物とか言わねぇよ。」
エレンが言った。
「三年間も一緒に過ごすんだ。
ゆっくりと慣れればいいよ。」
と、アルミンが優しい口調で言った。
「...シーラのことを化け物だと言う奴は片っ端から削いであげる。」
ミカサが殺意を込めて言った。
「あ...ありがとう。
けど、削ぐのはやめといた方がいいのでは?」
私が提案してみる。ミカサなら本当に削ぎそうである意味怖い。
「...シーラが言うのなら...わかった、やめよう。」