第2章 [別れ、そして出会いと再会]
音がした方向に行ってみた。
...暗くて良く見えないけど、3人いる。
1人は...ボブだし、女の子かな?2人は、男だ。
影からして、女の子を...いじめている感じ。
ふつふつと怒りが沸いてきた。
「なあ、俺腹減ってんだ。
お前、今パン持ってるだろ。くれよ。」
「なぁ、いいだろ?」
「え...嫌だよ。」
「...んだと?」
明らかに男の方が苛立っている。
____...殴られる。
そう悟った。
気がつけば、私は行動していた。
「...ねぇ?何しているの?」
前にもあったな、こんなこと。
まぁ、知らないだろうから痛いめにあってもらわないとね。
「...うっせぇな、女は黙ってろ!
それとも...殴られてぇか?」
あれ...その子も女の子じゃ...?
まぁいい。
「殴りたければ殴れば?
女子相手に情けないけどねぇ!」
相手が更に苛立ったのがわかった。
「じゃあ遠慮なく!」
「てめぇが言ったんだぞ!今から命ごいすんなよ!?」
...言ったな?
そんなこと言わなければ良かったって後悔させてやる。
-数分後-
「わ、悪かった!謝るから放してくれ!」
「痛ェェェェェエ!」
_____...任務成功。
一人には、関節技を決めた。
もう一人には肋骨に肘鉄入れたから骨にヒビ入れてしまったかもしれない。
まぁ、いい薬だろう。
「あの子に土下座して。そして二度とそんなことしないと誓って?
_____...わかった?」
二人は酷く怯えた。
「わ、悪かった!もうしない!
.......失礼しました!!!!」
ふぅ...まぁ、すっきりしたかな。
「...あ、ありがとう!」
暗さになれたかな...と思ったけど、よく顔が見えない。
...やっぱり女の子...だよね?
「う、うん。
あっ、じゃあまたね!」
「あれ...シーラ?」
何か言ったみたいだが、私は足早に去った。
吸血鬼の末裔って知られたくないし...。
...もう化け物なんて言われたくない。
「ドンッ」
あ、誰かにぶつかってしまった。
「ご、ごめん!怪我はない?」
ちょうど私が顔を上げたと同時に月が雲から顔を出した。
...顔が見えた。
綺麗な翠色の釣り上がったの瞳、少し癖のあるこげ茶色の髪、整った顔立ち...