第1章 プロローグ
「え……!?」それはあまりにも急な申し出だったが、
働き口を失った今、働かせて頂けるのなら喜んで、と私は承諾した。
「そっか、よかった!本来なら、ウチはバイト雇えるほどの余裕なんてねぇんだけどな。
それがこの前、まぐれで買った宝くじがあたっちゃってさぁ……
なんと2等の2000万!でもよ~オイラ、このハイブリットおでんさえあればいいし、
使い道に困ってたんだ。そこにアンタが現れたってわけさ。
困ってるみたいだし、よしみですみれなら雇ってもいいかなってな!」
「え、えええ?!そんな大金……。」
「いいんだよ!寄付だと思って!あ、あとここには常連がいるんだけどな、六つ子の兄弟なんだ。
そいつらにだけはくじのことを言うなよ!!」
「六つ子……。」
「ああ、松野家のニート六人。顔がそっくりだから覚えるの大変だぜ~。
じゃぁまぁ、明日からよろしく頼むわ!」
*
こうして、私はハイブリットおでんで働くことになったのだった。