第1章 プロローグ
「それで?依頼の内容は?」
「ああ・・・」
少々不機嫌になったようだが、話題を元に戻して何事も無かったかのように振る舞う。
だが本人的にはそうもいかなかったらしく。
「そんなことより先に・・・」
「っ!」
言いながら、クロロはヒロを腕の中に閉じ込める。
先程は気付かなかったが、体温が異様に低い。
長い時間、外で待っていたのだろうか。
そんなことを思うと、少しばかり彼がかわいく思えた。
あくまでも“少し”だが。
「久しぶりにヒロを堪能しようと思ってな・・・」
「 ・・・拒否権は?」
「無い」
キッパリと言い放つその態度もまた彼らしい。
そっと触れた唇は、さっきと違って暖かかった。
next...あとがき。