第1章 プロローグ
その日は雨が降っていた。
何かと忙しなく過ぎていく毎日。
ヒロはいつものようにホテルの一室でシャワーを浴びたあと、仕事の依頼を確認するためパソコンと向かい合っていた。
ズラリと並ばれているメールのタイトルの中から、とある単語が含まれているメールを探す。
「『アルビノ』・・・」
この単語が含まれているメールは、ヒロのやっている情報屋に宛てた依頼メールだ。
更にヒロはそのメールの中から適当に選び、仕事の依頼を受ける。
要は気まぐれだ。
「あ、イルミからメール入ってる」
最近携帯のメールを無視していたからか、見知った人物からのメールがそこにはあった。
(わざわざ俺に依頼しなくても自分でそのくらい調べられるだろ・・・ていうか、このアドレスも教えてないハズなんだけど)
いろいろと思うところはあるが、今回もイルミのことは無視することに決めた。