第5章 犬愛 <セカンドバージン 子犬系男子>
小村の唾液が、私の舌に垂れて流れてゆく。私は舌で受け取るよりも素早く、より一層彼を抱きしめた。
小村が少しびっくりしたように、でも、顔と
顔が至近距離のまま、見たことなく美しい笑顔で
微笑んだ。どきっ..
小村はそのまま強く強く、私の二の腕あたりをさすってきた。性感帯じゃないのに、ほんの少しだけ、背中の真ん中がぞくっとした気がした。
「はぁっ...好きだ...っ瑠々さんっ....ぁぁっ..瑠々さんッ...!」
私はドキドキとする。いよいよ、なのだ。無言になる程小村は私に夢中でーーーーー
(ってやめろおおおおオォーーー!!!!!なんの事前準備も無い、..誰に見せるハズもなかったプニ二の腕なんだよおおおなんでだよおおお!!!!!!なんでっ..なんでだよオォおおお(2回目。)さっきみたいに乳のひとつでもしゃぶったらいいやないかァァァァァァァ!??)
と、年取ると現実的な事考えちゃうんだから!!とさっきまで甘く、彼とのセックスに耽けていた自分はなんだったのだろうか。
「だめっ...だめ..だぁ....っダメです瑠々さんっ..」
「ちょっ..さっきからダメですって何がダメなのよ...」
さっきまで史上数億年ぶりくらいに出した自分の甘い、色っぽい声を聞かせた相手なので私は照れてしまう。至近距離の小村の前に、つい脚をもじっ..としてしまった。
「!あぁっ..だからダメです..ッそんなに僕を煽らないでっ...僕っ..貴女を目の前にするとっ..どうなるか分かりませんっ...」
わざとらしいくらいブンッと強く私から顔を背けた小村。
「えっ...?」
私は、今度こそ、乙女のように目を丸め、胸をときめかせてしまった。
ーー後、思い出した。
そ、そうだ..こいつ、わた、私を想うあまりに、オッホン、思う余りに..部屋一個全壊したんだった...。
た、たしかに..
ーーーーーーどうなるか分からねぇぇエエエエエエエエエ!!!
「....。」
熱気のこもるラブホで、しばしの沈黙。私はフゥーッとため息をついた。小村の体が恐怖でびぐっと震える。
「..出しなさいよ」
私は頭をポリッとして、上半身を起こした。
「エッ...?」