第5章 犬愛 <セカンドバージン 子犬系男子>
「ダメ······ですか········?」 「!!!」
子犬がキュウゥン···と小さく唸るように言った。
「べっ別にいいわよ!」
言った直後、ハッとした。つ、ついっっ·····!!こ、子犬力半端な!!
「ほッ··本当ですか···!? ありがとうございますッ!」
「っ···(ドギューン)」 否定出来なくなってしまった。
「じゃあ···僕ッ、日頃の感謝を込めて瑠々さんを洗わせて頂きま「イヤイヤイヤいらんいらんいらんいらん」
と即座に首をブンブン振った。が、
「·····ダメ··ッですか·······?」「(ドギュン)イイワヨッッ!!」
あ。
シャアアアア·····
「瑠々さんの髪、サラサラで綺麗ですッ··!」
「···ありがと。」
ーーーーーーなんだコレ? ただコレ髪洗っているだけじゃ。
ワシャワシャと優しく私の髪の間に手を入れる子犬に、
らしいな····やっぱ小村って無欲。 と思った。
アアアアアレーー!?! さっきまで胸触ってきて、オ
レ、もう我慢出来ねぇ··みたいだった奴が髪洗って
満足!?
ま、まぁヘンな事になんなくて良かったけども······。
「僕ッ···瑠々さんの髪に触れたい気持ちが···········
ずっと······前からッ····その、あって············。」
透明な壁に写った小村は、案の定顔を赤くしていた。
そ、その報告だけでそんな顔するとは····やっぱ無欲。
「あのッ····初めて··お会いしたときから髪の綺麗な方だと·····思っていてッッ····!!」
徐々に髪を洗う手が弱まってくるのが分かり、ドキッとした。
「実は·····ッ、聞いていたんですッ! 毎日毎日丁寧にケアしているってこと····ッ、同僚と話していた時ですッッ··」
そんなことまで聞かれていたんだ···とドキドキしてしまった。
「だけどッ··!! 僕はッ、僕が貴女の大切にしていた
髪を守れなかったッッ·······!!!」 「っえ··?」
いきなり音量を上げて言う小村に、私は驚く。
あ、さっき·····銃で髪を撃たれたから····。