第5章 犬愛 <セカンドバージン 子犬系男子>
「何で勝手に見たのよ」
私は小村に背を向ける ギリッ···と手を握り締めた
「すみませんッ···! あ、あのそれでッ」
「うるさい」
「ッッ······ここれが出てきたのですが···············ッ!!」
奴が出したのは かわいい赤いリボンがついた小さ
な袋
「こ、これは」
「友達にあげる誕生日プレゼントよ、コスメよしつこい」
「中身は、チョコレートのようですが·······」
「····コスメ形チョコよ」
「生チョコレート、じゃないんですかッ·····」
「ッ貸しなさいよ、これはじ········」
ほら言いなさいよ。 自分用チョコだって。
何でさっき正直に言わなかったんですかッ、て言われるのが嫌?
ああ、もう奴がジッと見てくるわ。 早く言わなきゃ、
「 小村へのチョコよ!!作ったのよ頑張って!!! 」
言った瞬間、はっ、となるが想いが止まらなかった。
「わ、悪い!? チョコなんて男にあげた事1回も無か
ったからあんたの為に1ヶ月前から作って置いてた
のよ!!!」
ああ、もうかっこ悪い 義理チョコよ、て気取って言
うつもりだったのに
「アンタなんて、効率悪くていつも弱気でイライラす
るっ···目にとまるのは小村しかいないのよ、
どうしてくれるのッッ!?」
全部台無し 本当にサイアクサイアクサイアク
ギュッッ
小村に後ろから強く抱き締められた。
「瑠々さんッ···! だからだいすきっ··!!!」
そして、後頭部にプニ、と唇が当たる感触がする
ああ、私は子供か。 告白してされて、口にじゃない
のにキスされて顔真っ赤っ火って 終わってるわ。
ホントサイアク。