第5章 犬愛 <セカンドバージン 子犬系男子>
突然、目の前の景色が霞み、色とりどりの粘土を混ぜたようにぐちゃぐちゃになった 「う···ッ??」 そして瞼が徐々にーーー········
「おやすみン♪ーーーーー」 ドサッ。
それが、私が最後に聞き取れた言葉だった
「っさーー っ西川ーーーーッ」
真っ暗な視界で、ぼんやりと声が聞こえた。ーーー··········ん····?
「西川さんッッ··!!」 「う、はぁッッ!?! 」 ビクッ!!!!
大声にビックリして跳ね起きた! 「あ、あへッッ!?!」
ヨダレをゴシゴシと腕で拭きながら疑問に思った。
「だ、大丈夫ですかッ···!?」「ここ、どこ·····!??」
ここはさっきの部屋より狭い。相変わらず足首は
水道管に鎖で繋がれている。
ガチャンッッ!!
ビクッと私達は体を震えさせた瞬間、入ってきた
厳つい男が喋った。
「ーー··これからお前らには死んで貰う。取引を見
たらしいからな」
最初に何かゴニョゴニョ言って、男は怯えている私の足首を蹴った。
「った···!「西川さんッッ!!」
小村が涙目で唇をワナワナさせて言ったのが分かった。
「ただ一発で殺すのも芸がないから、ーーーー」
いきなりパアァンッと銃声が鳴り響く。
死んだかと思って、目を開けたら·····。 「ああッ!!!」
小村が叫ぶ。 「か···かかか髪がッ···!!」
「あ······。」
私の右側の髪の毛が、バラバラになって床に落ちていた。
「っへっ。 こんなのはまだ序盤だ。 もっといたぶってやる」
「ッ!!!!!!!」
鉄の棒を私めがけて振っていたーーー
「ッッッ嫌···いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」
「西川さんんッッッッッ!!!!!!」
涙が頬に伝わるのが分かったその一瞬 プツンと空気が変わった