第5章 犬愛 <セカンドバージン 子犬系男子>
ガチャッ。
「失礼しま「西川君、君に折り入って頼みがある」 速ッ···!??
「··な、何でしょうか?」 「実はーー········」
「ウチの部長がホテルで怪しい取引をしているからってどうして
私達にペア組ませるワケーー!?」
数組のカップルはこちらを見てビクッとした。
「す、スミマセンッ···」
「···何でアンタが謝んのよ、小村。」
私はカップルの聖地、ラブホテルの前で大きなため息をついた。
私達がここに来たのは、ウチの部長がナニやら怪しい取引をしているのを見た社員が、社長に言ったらしい。
「でも、本当に違法の取引をしていた、という証拠が無いから、警察じゃなくて··· ギンッッ う、うわぁぁッ··! スミマセンッ···!」
そう言って 私のダメ部下、小村が
しょぼんと顔を俯いた。
···まぁ、社長がここでペア組ませたのは、何と無く分かる。
部署1気の強い私と、部署1使えない男·······
私の方に期待を掛けていて、こいつは仕事場にいない方が作業の効率が大幅にアップするからーーー。
社長は、何とも思わないのかな、だって私ーーー、
「嫁入り前の女なのに、こんな(ダメな奴)と一緒に
ラブホに居させるなんて···!」 「!!!!」
途端、小村が顔を真っ赤にさせて顔をブル
ブルと激しく振った。「ッぇそそんにコトッ·····!!」
···うっ。舌噛みやがった···。
ほんッッッッと········!!
超可愛ぇエエエエエエエエじゃねぇかァァァァァァ!!!!!!!!!
な、何だよコイツ、背ちっちぇーし目デカ女みてぇだしすぐカオ真っ赤にさせるし······!
た、たまらんッッ·····!!!
カオを真っ赤にさせて 犬みたいにブルブルと首を振り続ける小村の真横で、私は鼻を押さえて萌えニヤニヤした。
はっ。 またガニ股になってる···!!
そう。私は常日頃からコイツの事はダメだとイラつきながらも···萌えている。
子犬みたいで超可愛ぇエエエエエエエ(以下略)
あ~あ··· ダメな女よ私は。 萌えてたらダメッッ!
萌え厳禁ッ!!