第5章 犬愛 <セカンドバージン 子犬系男子>
「うぅん、オホンッ! じゃあ、行くわよ。」 「····ぃ·······。」
”はい”の”は”が聞こえない小村と一緒に、ラブホテルに入っていった。
「···ん? 結構、混んでる何で??」
カップルで混みあう店内を進み、やっとカウンターまで行けた。
「ホラ、並ぶよ小村ッ!」
と言ってから、小村が付いてきていない事に今気付く。
「西川さぁぁぁんッ··· ど···こ?」
「ここよ!(キュゥウンッ!)」 と小さい手をギュッとつかんだ。
「イヤイヤ···混んでるけど、そんなじゃないでしょッ··!?」
「す、スミマセンッ····!」
とその時、
「子犬ちゃン、お客様ン、ハッピーバレンタインンーー!!♪♪」
パアァンッッッ!! ワァッと店内は一気に華やぐ。
「ウエエエ!??」
色とりどりのクラッカーを浴びて、私達はポカーンとした。
「今日はお客様サービスたーっくさんしちゃうよン♪!」
「な、ナニナニナニナニ!?? あの人超スマイルン!!」
この店に若干恐怖を抱きながら私は思った。
ーーそうか、今日バレンタインだった!
その瞬間、私は思わず小村の方を見た。
「···き、綺麗ですッ····!!」
小村は、シャボン玉を初めてみたような子供みたいに、
無邪気に瞳をキラキラさせていた。(キュゥウンッ!)
ーーーうっ。我慢我慢我慢ッッ!!
気付けば、私は小村の頭に手を伸ばしていた! 怖い!
恐るべし小村子犬パワー!!
「ソコの何か我慢してるお姉さんン! 部屋選んでからにしてねンン♪」 「なぁッッ!!!」 ボッとカオが熱くなった!
「ぇぇッ·········(\\\\)」
「そこ!目ウルウルさせてか、勘違いするんじゃないわよッ!!」
恥ずかし過ぎて、ギンッッッッと子犬を一睨み! 「ひぇッ·····!」
「え、えとお部屋はコレにさせて貰うわ···!」
「フ~ン?、お客様、 頑張って下さいン♪!!」
上がっている口角をもっと上げてカウンターのスマ
イルンは言った。
しかも後半、私にだけしか聞こえない音量で·········!!