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ホテルの事情[R18]

第5章 犬愛  <セカンドバージン 子犬系男子> 


その男は、効率が悪い。





「す、スミマセンッ···!書類を一枚一枚整理していたら、書類が崩れて···!!」







その男は、力が弱い。






「す、スミマセンッ···!ちょ、ちょっとそこを避け··っああッ!!ドササッッッ!!) スミマセン、スミマセン、スミマセンッ」








その男は、背が低い。





「す、スミマセンッ、あそこの資料、取って頂けませんかッ···!?」








その男は、いつも弱気だ。






「ふ、不良品ッッ??すっスミマセン、ぼ僕が全額返済しますッッ···! グスッ··」
   
「ぅおおおおおおおおおおおいいいいッッッッッ!!!」    


ドンッッッッ!!!



シーン。




たまらなくなって、叫んでデスクをぶっ叩いてしまった。


「何でアンタが全額返済しなければならないのよッッ!!逆に迷惑よ、ホンットバカ!」

周囲の視線を気にせずそのまま続けた。 

「西川さん···」

「止めないで下さいッ!」

「す、スミマセンッ西川さん···ッ!!」


「スミマセンスミマセンうるせぇーーーーー!!」





私が今この男にイラついてるのはワケがある。

昨日ーー···

「なんだろ··· 急に社長室呼ばれるなんて私、なんかやらかした?」 

サァー・・と顔を青ざめて、社長室のドアノブに私は手を掛けた。
   


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