第2章 同愛 <学生 百合 純愛 少し·····>連載中
はぁっ..はぁっ..
荒い息遣い。女性同士のアダルト動画。なんて間の良い。
「!」
えっちな映像だと認識した彼女の体が、びくん、と跳ねる。
そして、なんとタイミングの良いことに、その動画はーーーー。
『アンッアンッアンイヤアンッ♡はぁはぁはぁ、ねぇ、私のも、舐めてぇ....?』
黒髪ストレートの女性が、相手役の女性に、顔を寄せてねだる。サイドヘアーを散らしながら。
『いいよ.....ぢゅるっ、ぢゅるぢゅるっ....!』
あっあぁーん!!と、体をのけぞらせて叫ぶ女の人。
その後は、ひたすら、ああん♡ああん♡ああん♡と、快楽にまみれていた。
「.....!」
タイミングが、良過ぎる。
それは私の願望そのままだった。一旦、TVをOFFにする。
ーーたしかに、そういうシーンまで黙って観賞会しようとは思ってたけど、まさか最初っからそのシーンに当たるなんて...!!!
「な、なるほどっ....?」
と、螺園ちゃんは、やっと納得してくれたみたい。
ドキ...ドキ...ドキ...と、私は手を胸の前で組んだ。むにゅっとする。
「ーーー!」
と、彼女は、私のその表情を見て、ハッとしたように目を開かせた。
「瑠々ッ.....!」
「ひやっ...!?」
天蓋付きベッドが、一瞬、揺れる...。彼女が、私をベッドに押し倒していた。
「ッ..!」
何か、くすぐったくて、思わず彼女から視線を逸らそうとした時、
「瑠々....」
彼女の顔が私の耳に近づく。ドキドキドキ...と心臓は高鳴ってゆく。もう、さっきとは逆の立場だ。
「いっ..良いの.....?」
それはまるで、切羽詰まった男の人が、女の人の誘惑に対してちょけて言う、でもそれでいて、色気ありまくりなーーーーそんな台詞みたいだった。
「っ...!」
YESと捉えられても恥ずかしい。なのでうなずいたのかうなずかなかったのか分からない程度に頭を縦に振った。さっき、螺園ちゃんに私も同じことしてたでしょっていう、その言葉を呑み込んで。
「そっ、そう...?それじゃあ、待って...」
と、白いショーツ姿の螺園ちゃんは、天蓋付きベッドから抜け出て、歩いて行った。
ああ、と私は思う。
攻められたい願望は無いけど、螺園ちゃんに攻められたらーー嫌でも真っ赤になってしまう。