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ホテルの事情[R18]

第2章 同愛    <学生 百合 純愛  少し·····>連載中



「えっ」

と、螺園ちゃんも私も同じ反応をした。同時にお互いを一気に振り返った。私はさっと下に目を逸らす。なぜなら、彼女の『えっ』の方が、期待の色が見え隠れしていたから。

「................」

「ホラ何男の子泊まるってんじゃないんだからさ〜螺園ちゃんも甘えなさい!ねっ!」

と、気づくと、家の床いっぱいに汚れてもいい布が敷かれていた。ものの数秒でこれを成し遂げてしまう母は、流石に主婦をやっていないという訳だ。

というか男の子じゃないだからって、今の時代、ジェンダー的な事を全く意識してないし.....と母を睨むような気持ちになってしまった。

だが、自分こそ自分の同性愛的な部分、完全に肯定出来てるかと言われればそうは言えないので、お互い様だった。

「あっ..でも..」

だん、だんさ..と、消えいる声で、玄関の段差の事を母に指摘した。が。

「螺園ちゃんじっとしててね〜」

と、お母さんがいきなり螺園ちゃんに覆い被さってーーー

「なっ..何してるのっ...!!」

と、母の袖を掴み大声を発してしまった直後に後悔した。ハッ!として、瞳孔が開いた瞳を瞬きさせ保護する。その間に、ひどく驚いた様子の彼女ーーー螺園ちゃんからも目を逸らす。

「えっ?」

と、母は気の抜けた顔で、両手で車椅子ごと螺園ちゃんを持ち上げていた。

「あっ...」

みるみるうちに顔が真っ赤になっていくのを感じたが、母はそのままコメディ劇のように、螺園ちゃんが座ってる車椅子を家の廊下に置いた。置いた時、「POM!」という効果音が透けて見える程母は身軽であった。

「さてさて、部屋に2人で行ってなさい!」

と、やはりまた怒っているのか怒っていないのか分からない声で、母は私の方に螺園ちゃんの乗った車椅子を向けた。私はそこから逃げ出すように、

「ちょ、ちょっと待って..!夕食はっ..」

「後でそっち持ってくから!早く!」

ど、どうして早くしなくてはいけないのか、と思ったが、お客さまの螺園ちゃんへの配慮だろう。こう、切羽詰まった状況だと、誰もが敵に見えてしまうものだ。

やや反省しながら、私は螺園ちゃんの方を向く。螺園ちゃんは、いつものように少し不機嫌そう?な顔と、申し訳なさそうな顔をしていた。

「じゃあーーー「あ、ちなみに2階まで螺園ちゃん運びなさいね!」

「えっ」
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