第2章 同愛 <学生 百合 純愛 少し·····>連載中
「お父様、大丈夫ですよ。お父様が心配するようなことは、、」
「お願ぁい螺園ちゃあん一切無いって言ってちょうだい!」
くーっ、とハンカチを噛みしめているお父様を前にして、私はスッと目を閉じる。
「その通り、一切、ありません。」
そっ、そうよねぇぇえ!と歓喜の舞を披露するお父様。
「執事ちゃあん入ってこの子を部屋に連れ戻してちょ~だいっ!」
私に抵抗する間もくれずに、執事はすぐに入ってきて私の体を丁寧に持ち上げ、お姫様抱っこをした。
「きゃっ..!っというか運ぶんだったら解毒剤早く渡しなさいよ!」
「お父様に命じられていないのでそれは出来ません。」
最初から決まっていたセリフみたいに、すらすらと執事は言った。
..執事もこんなんだし、どうしよう、、瑠々と連絡先交換もしてない。とりあえず冷静になって、彼女と接触する方法を考えなければ。
まだ、伝えてない、伝えられてない。その間に、彼女と一生会えなくなってしまうかもしれない。
ーーーそんなことは、絶対させないわ....!
執事はそんな私の顔を見る。いけない、昔から執事には何を考えているのか勘付かれてしまうから、普段通りに振る舞わないと。お父様から早く貰う為には、
嘘をつき続けなければ。
そんなことを思っている間に、あっという間に部屋についていた。
初めてお父様に嘘をついてしまったわ、、。
お気に入りの椅子の上で、頭を抱える。体重がかかっている肘は硬い机の上にある為、痛い。
こんなに落ち込むとは..
「はあ.....」
思ったより深いため息が出た。
「お嬢様、そんな姿勢ではいけません、肘を痛めますし内臓を圧迫します。髪が今日は格段と乱れておりますので、整えさせていただきます。」
「ああ..ありがとう...」
と、ハッとした。
「どうしてあなた私の部屋に居続けているの!?」
「お父様のご命令です。」
相変わらず悪い気さらさらないわね、、。
執事は、私の髪をクシでとかし、よく分からないけど、髪がサラサラになるような液体を丁寧に塗っていく。執事は続けた。
「今日、お嬢様の婚約者の方がお見えになるようです。」
「えっ!?」