第2章 同愛 <学生 百合 純愛 少し·····>
もう、何年も昔から決まっていた。
考え事をしていたら、すぐについてしまった。
コンコン、とこの執事がドアをノックする。
「入って良い」「失礼いたします。」
ガチャッと入った瞬間、異様な空気が流れる。
お父様は、執事が私を椅子に座らせるまで、厳しい視線で私を見ていた。
「すまぬが、お前は席を外してくれないか?」
「かしこまりました。」と、執事は静かに部屋の外に消えていった。
シィン、と張りつめた静寂が部屋中に広がっていく。
「???、」 「は、···はい」
と言った私の心を全て見透かすように、お父様の顔は険しい。
「なぜ、お前はいつまでも、行ったことの無い道を走り続けていたのだ?」
「お父様、私は、私の友達を「本当にそれは友人なのか?」
と、私の言葉を遮り、お父様は圧をかけて言い放った。
「もしかして、他の男と駆け落ち、なんてことは企んでたのではないか?」
「違いますっ!」
と、つい声を荒げてしまった。足に力が入る。
「お父様、友達、と言っても女の友達です。女の友達に会いに行く為、道に迷い、そしてあんなところで走り回っていたのです!」
と、私が必死に説明したら、お父様はバンッとテーブルを叩く。
そして、ギンッと私を睨む。
私の首から汗が流れる。
「だったなら早く言いなさいよ~っ!!んもぉ~、私ったらすぐ誤解しちゃって☆」
といきなりお父様が別人格のようになった。
よ、良かったわ。
お父様が安心しきると、いつもこんなテンションになる。
「あの、なので、扇子を開いて踊り始めないで私に飲ませた薬の解毒剤を····。「ダメダメっ!!万が一もう一回倒れちゃったら私泣いちゃうるる~ん··」
と、完全に安心しきったら注意力が漠然と落ちる、私のお父様がシュンとしてしまったので、私は慌てて言葉を付け足した。