第10章 玩愛 〈 マチアプ お兄さん 大人のオモチャ 〉
「またバイト3人くらい辞めるらしいぞ」
ーーーホテルの従業員用の男子更衣室内での事。
金髪バイト君と先輩バイトが、ホテルの制服に着替えていた。
‥何やら、あまりよくない噂話をしているらしい。
「えーマジっスか!?今月6人目ッスよねぇ!」
「まぁ無理もないよな..数ヶ月前の、"アレ"があったし..」
「…」
重い沈黙が流れ込む。
「‥そういえば、店長…早退したぞ」
「‥!」
「傷、ぱっくり開いたらしい」
「やっぱり、スか‥最近レジの手止まりがちだったんスよ‥!調子悪かったんスね‥!」
「店長、本当災難だったよな...」
「…」
「まさか、刺されちまうなんてよ‥」
「…そうっスよぉ..ッ!」
ホテルの従業員たちが新聞で見た情報は、記憶に新しい。
ホテル内で起こった、犯人不明の刺傷事件の被害者40代男性‥と、新聞には記されていた。
「...」
「知ってるか?‥現場付近の、防犯カメラだけぶっ壊されてたらしい」
「防犯、カメラ…!?っスかぁッ!?」
先輩バイトの言葉を受けて、金髪バイト君は声を張り上げる。
「怖すぎっスよ..!!店長ぶっ刺した犯人、マジ早く捕まって欲しいっスぅぅう!!」
ぱらぱら....
パラパラ...
ぱら...
暗闇の中、眩い破片が宙を舞う。
その中心に、糸目で笑みを浮かべる、カウンター人がいた。
「ンン〜♪」
ところどころ姫カットの頭、ピンクのエクステの前髪を揺らし、彼は拳を振り上げる。
”防犯カメラ”に。
ーーーガッシャンッ....!
パラ..ぱら...
ぱら...
ぱら...
玩愛 〈 マチアプ お兄さん 大人のオモチャ 〉 完