第10章 玩愛 〈 マチアプ お兄さん 大人のオモチャ 〉
「..」
お兄さんの手を握りしめながらも、私は下を向いた。
「ふふふ、瑠々さん..」
ニコニコしながらお兄さんは、私を見つめてくる。
事後、服を着替え終わった私たちはずっとこんな感じだった。ホテルの部屋からすぐには出ようとせず、しばらくの間こうしていた。
「玩具じゃなくても、あんなにイけるんですねぇ」
「!っ何言ってるんですかマジでっ..!もうっ!」
手を、ぎゅっと強く握り返された。
「付き合いましょっか僕たち」
「....最低....っ!」
ポカポカ、と弱々しいパンチをお兄さんにお見舞いする。
そして彼の胸に顔をうずめ、そのままベッドに押し倒した。
ーーートサッ..ッ...
「.......」
シーツの感触が、2人の体を包み込んだ。私の髪の毛がお兄さんの体に覆い被さる。
「ははっ、ごめんなさい瑠々さん...」
そのまま、数秒か数十秒かーーーとにかく、私はしばらく固まっていた。
「....瑠々さん?」
お兄さんは今きっと、きょとんとしているのだろう。
顔は見えない。
「......................」
ゴト、ゴトゴトッ...
部屋の外から、何やら物音がしてくる。
「.......清掃員の人....」
「..........え?」
「....清掃員の人....掃除....し始めたのかな.....」
お兄さんの胸の中で、私はふふっ..と笑う。
「そうみたい...ですね....次のお客さんが部屋に入ってくるのでしょう...」
彼の指で、サラリと前髪をなぞられる。
「................................」
2人はお互いの熱に溶かされたように、一言も喋らなくなった。
私も顔をうずめたまま、動かなかった。
「ーーーーー好き.......」
ぎゅうっ..と、彼の服を握り締める。
「好き............っ」
堰を切ったように、私は告白した。
「うん...」
「好き.......っ好きなの......っ」
「うん...」
キシ...とベッドが軽く軋む。
お兄さんの指が、私の顎を上げさせる。
「....付き合って........っ」
溢れ出した涙を受け止められるように、キスをされた。