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ホテルの事情[R18]

第8章 執愛   〈 監禁  優男成人S 女子高生 〉




「ーーそれは何年も前の話でション?」

急にスタッフルーム近辺の様子がザワザワし始める。いきなり仕事が忙しくなってきたらしい、皆同様にバタバタしていた。

それに、とカウンター人が慣れた手つきでテーブルを拭き始めた。

金髪バイト君は目だけでその様子を追っている。

「結局その指名手配犯的になった女の子はむざい!で、後に他に犯人が見つかってその人が捕まったんじゃン?」

「死刑は免れたらしいですけど、一生懲役〜ぽいやつになったんスよね」

ふンふン〜♪と無意識か、鼻歌混じりに手際良く周囲を掃除し始めるカウンター人。

「...まともに仕事してんの珍しいっスね〜!」

「よーし、お掃除かんりょー!!」

と、カウンター人は一仕事終えた風に体を反った。話題を変える雰囲気になった事を察し、金髪バイト君は食い下がった。

「つうか!そうじゃなくって、この事件どうもおかしいってネットで噂なってんっスよ、ほら見てくださいよ俺のスマホ!」

「.....見なくてもわかるよン」

反った姿勢で背中を向けたままのカウンター人を無視し、金髪バイト君はスマホを高速スクロールし始めた。

「他に犯人にされた人っていうのは、その事件の時にその付近にいたってだけ+ちょっとした証拠ってだけで、この女の子が犯人っていう証拠の方が圧倒的に多くて真実味があったそうなんスよ!!てか、確実だったんスよ!!」

と、ネットの記事そのまま読んだだけの金髪バイト君は、鼻息を荒くした。まるで、自分が事件を解決した名探偵だと言うような目の輝き度だった。

「...この子の祖父だったかが、警察官か何かで黒い癒着があったとかなかったとかいう記事も昔見たことありますっスよ..」

と、いきなり声をひそめ、話に危機感を持たせてきた金髪バイト君は、カウンター人の肩に手を置いた。

「あのさっきの女子高校生の女の子、野放しにして大丈夫だったんスか?」

「ーー...」

カウンター人が、何かを呟いた。が、金髪バイト君の耳には届かず、「え?なんスか?」と返す。

「ただのネットの噂でしょン?考えすぎだってン〜♪今更犯人変わんないしン〜」

ひらひら〜っと腕を振るカウンター人は、いつもの調子で笑う。

「えっ、でも..!」



「だったら尚更、部屋の中でああいうコトをしていたお兄さんに着いていかせてよかったと思うよン」

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