第8章 執愛 〈 監禁 優男成人S 女子高生 〉
「は...?」
一瞬、そのつり目気味の目を瞬かせたが、カウンター人の仮面のような笑顔は変わらない。
それでも金髪バイト君は、一応聞いてみる。
「..?ど、ああいうコトってどういうコトッスか?」
金髪バイト君は首を捻る。金髪バイト君自身分かっていることだが、残念ながら、こういう時に何かと疎い性質だった。ーーでも今回の場合は、知らなくてもある種"正解"であったが。
カウンター人の口元は釣り上がったままだ。でもどこか、諭すような含みがあって。
「ハゲシイプレイン♪きゃーン!ヤダヤダン♪♪♪」」
と、勝手に自分でハイテンションになり、頭の後ろに手を組み、どこかへ消えてしまうカウンター人。金髪バイト君は、揺れ動くカウンター人のエクステをじーっと見つめていた。
さて、この金髪バイト君の性質をもう一つあげるとするならば、
「..さて、僕も仕事仕事...!」
あまり優秀と呼べない自分は、誰かに何か喋られてもわからない時、相手が大丈夫と言うなら大丈夫なんだ、と自分に思い込ませてしまうところがあった。
「.....」
ーーーと。
隅に隠れて、カウンター人が何やらスマホをいじっていた。
これでも一応仕事中、というのは言わなくても分かる程になったお約束。ーーー何やら、アダルト動画を鑑賞しているようだ。
『○月×日。君は男に罪をなすりつけた。』
制服を着た少女が、液体まみれの顔を上げ、目を見開いた。
『君は他にも悪事を働いているんだねぇ.....♡』
色男が持っているガラケーの中に、少女の犯したと思われる悪事が収められていた。
トンッ。
どうやら、
単なるアダルト動画では無かったらしい。
カウンター人は、それをどこでダウンロードしたのか、ーーーはたまた自らが撮った動画なのか、一旦一時停止にする。そして、素早くフリック入力をし始めた。
「一か八か.ン..........」
一瞬、その閉じられた目が、髪の毛の隙間から覗いたーーーーように感じられた。
事件の顛末の行方は、また、別のお話。
今回は、これにて、おしまい。
執愛
〈 監禁 優男成人S 女子高生 〉
【完】