• テキストサイズ

ホテルの事情[R18]

第7章 同愛 2     <学生 やおい 純愛 短編>


その男子高校生の内の1人は、ポリポリと頭を掻いた。それはとても照れ臭そうに、また、嬉しそうに。ホテルのカウンター人にまた1人、他のみんなとは距離が遠いところに連れ出されても。

「ふうン〜♪よかったン♪♪やっぱりどりぃんくが効いたのかなァ〜?」

「!ッあの"媚薬"、用意したのあなただったんスか..!」

くそう、取り越し苦労だったぜ、柏木になんて言おう、と男子高校生は頭を抱え出す。

それを見て、ホテルのカウンター人はフッ..と笑う。

「あと、おトイレの電気、1度切れたら絶対にもうつかないようにしたのとか、効いたン?♪」

「!それは..俺も、

あなたに聞かされてて知っていましたけど...。」

と、男子高校生は口ごもる。その顔は、なんで、それが本当に効くと思って..?と戦慄してる顔だ。

「うぅ〜ン、後は震える『オモチャ』を一度起動したらもう止まらないとかン、部屋の片隅にちょこんと媚薬効果のある香水置いたりとかン、ベッドに寝たら張り付いて離れられないとかン、木の椅子には座ったン??椅子に座ると身動きできないようになってるからン、相手に何してもOKというン..♡♪♪」

!?

「あなたそんな用意してたんですかッ!?それって良いんですか!?ていうかあいつらあんなにハイテンションだったのも、....香水のせい...!?」

さぁ、どうでしょン?♪柏木クンは香水嗅いでないみたいだけどン?まぁまぁン♪と、答えをはぐらかすホテルのカウンター人は、楽しそうだ。

「でも君が、君たちがン、進歩していて良かったよン...♪♪」

「っ..どうも。まぁ、どうもでした。ありがとうございますね」

複雑な心象を抱えつつ、その男子高校生は礼をした。そして、みんなの元に、返ってゆく。ツンツンとセットされた髪型と、制服が、ホテルのカウンター人には眩しく見えた。

「また、いつでもご利用下さいン〜〜♪」

「........おい?」

「わお〜ン?」

店長だ。言わずもがな店長が、今の会話を全て聞いていたという。

「お前、何勝手に団体様の部屋改造してくれてんだよ.....」

店長の怒りの炎は、目に見えるようだ。ホテルのカウンター人は、笑顔を絶やさない。

「だってン、だってン♪」

「..いつもそう言うよな。お前ーーーーー」

その時、何か言いたげに、店長の目は銀色に鋭く光った。

/ 179ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp