第7章 同愛 2 <学生 やおい 純愛 短編>
「いや..」
俺は、気を遣いがちに、瑞木を見た。だけど、俺たちの答えはもう分かる。
「なんでもない、ぜ..やろうぜ、王様ゲーム..」
今の瑞木には酷だと思ったが、こっちの選択の方が良い、気がした。
「王様ゲームッ!!!5番が2番にキスをする!!!」
うおおおおおおー!!っという、最早怒声のような雄叫びと共に、男子高校生の唇が唇にモニュッとくっついた、かと思ったら更に押し倒し、服の上から全身にキスが止まらない。
「お、おいッ..!!」
いやまさかこんな、こんな..
瑞木の表情は、うつむき気味でよく見えない。
王様ゲームでここまでするとは思わなかった。しかも最初の指令から。5番や2番が俺や瑞木じゃなくて良かったとホッとしている。今回瑞木の友達たちの悪ふざけは、ラブホという異空間の中で、かなりピークに達していた。
「その..、唇に、キスっていくらなんでもやりすぎじゃ..!「大丈夫!今こいつ彼女に振られたばっかでフリーだから!!」
「 そ、そういう問題じゃなくてっ!!! 」
と、これには一応、瑞木の友達たちが振り向いてくれた。
「よく考えろよ!その、男同士で..」
と、自分で言っててハッとする。瑞木をチラッと見たが、特に反応はない。だけど俺はしまった、と思い言い直した。
「.."友達同士'でっ...!!!
こんな事やるなんて「アレ柏木?俺は絶対やらないからなーって自分はやらないけど、オレらのこういう"ノリ"は笑って流してたジャンジャン?いつも」
「ーーーー〜っ」
それ言われると、なんも出来なくなる。
「ああんっ!!ちょっ..!!」
「王様の命令はゼッタイ!!」
と、全身キスの雨を降らさせられて、覆い被された男は、ふざけこそするが、なんかさっきの乳の揉み合いの時より完全ふざけ度がちょこっと下がってる気がする。
そう、そのちょこっとだけ、なんか..艶かしい色も感じる。気のせいかもしれないって程度だけど..。これは個人的見解だが、男子高校生の有り余る性欲を、友達同士とはいえお互いにぶつけ合って発散しているような危険な気配だ。
すると、
「ほらほらよッ!!おらっ!!」
「!」
その覆い被さった姿にまた1人少し発情したのか、ササッと素早くそいつも覆い被さる。そんなノリに人一倍鋭い瑞木の友達は、また1人ダイブしていった。