第7章 同愛 2 <学生 やおい 純愛 短編>
「あっ..オイ」
と慌てて瑞木を追いかけた。するとーー。
「ほら、行くぞ」
ぱしっと、瑞木は俺の手を握ってきた。
ちゃんと、スマホの画面の中の奴らに見えない影がかかったところで。
「ああ....」
俺はなんとも思わなかった。余りに自然に繋がれたから、特に思うところは無かった。
と、にぃ〜〜〜〜ーって瑞木はこちらを振り返った。
「ビックリした!??」
「えっ」
俺はその時初めて、瑞木が俺をからかったんだと分かったけど、「あっと、え..?」って頭はまだちょっとぼやぼやしていた。
「あっれぇ!??柏木ちぃゅわん、俺に手ぇ繋がれたままでもイ〜のかなっ!?」
「は、はぁっ!??」
ちっちゃい頃は、普通に瑞木から手を繋がれて、それを何と思うこともなく繋がれたまま歩いていたから、久しぶりにそれの到来かと思っていたのに..。
きゃ〜ッ♡きゃぁぁ〜ッ♡と体をクネクネさせてふざける瑞木相手に、俺は少し照れてしまった。クソッ、こんな奴に..!!
なんとなく顔を背けてたら、ふいに夕暮れのように俺を見つめていた瑞木の視線に気がつかなかった。
「おいおいなんだよ〜行くんだったら早く行けよ!!「バカお前"イけよっ"て..!!」
と、アホの猿山みたいにギャーピー画面ではしゃぐ男どもにつられて、俺は瑞木についていった。こういうノリの時でさえ、瑞木の背中はいつだって頼もしい。それが悲しいんだか、なんなんだか..。
「いらっしゃいませン♪お客様さまン♪♪」
「!?」
バッ!と俺と瑞木は、間にあった奇妙な男の顔にまた瞬時に驚いた。ずっとニコニコ笑顔で、それがまた奇妙な感じがした。
「だっ..誰だっ!?」
「まぁまぁン♪そう言わずにお客様ン入って入ってン!!」
と、割と結構くそ強引にラブホ店内に入れられた。「あ、あなたはっ..!?」
「このホテルのカウンター人だよン♪♪♪ネェネェキミたちに特別にクーポン券あげちゃうンッ♪」
やっぱり店員か..。なんでこんな俺たちにこんな媚びてくるみたいな態度?と思ったけどまぁいいか、営業か、と思った。すぐさまホテルの部屋を選ばせてくる。
「ハイハイ早く早くン〜♪あ、じゃあこれにしよン〜♪♪」
「あっ!!???」
と、訳もわからなく、ぐるぐるのエクステをつけた店員に勝手に部屋を決められ、俺らは..