第262章 ---.届かぬ月よ
「鳥居様!!」
「貴様ぁ!!何故ここがわかった!?」
もう一人の男が 騒ぐ。
「何故と言われてもなあ………私の可愛い弟子が、攫われたからとしか言いようがないな」
「京香!!京香なんとかせんか!!」
屈強な男が 臨の目の前に立つ。
臨と体格の圧倒的に違う、その男に、勝機は全く無いと思われた。
だというのに、次の瞬間その男が縦に裂け そこから血液が抜けたのだ。
「飛剣 宝縦斬」
遅れて聞こえたその言葉が 酷く印象的で
絶対的な強さ
圧倒的な速さ
それに 私は憧れて
隣に立てるように
いつか貴方に 恩を返せるように
いつか貴方と 共に戦えるようにと
私は誓ったんだ。