第256章 421.DEICIDE23
怒られるということは わかっていた。
やってはいけないことというのも
(記憶置換の要領で記憶を取り出せば、もしかしたら先生の記憶も取り戻せるかもしれない。そうすれば、先生の幼少の時代も……)
結果として 彼女の記憶を見ることには成功した。
彼女の 黒で塗りつぶされた
あの記憶を
いやだ 私は斬りたくない
私は主と戦う為のモノではなかったのか
私は主を斬る為に生まれたモノだったのか
何故私は 私の主を斬らねばならない
霊王がなんだというのだ
何が霊王だ
何故この人が 霊王にならねばならないのだ
何故私の主が 霊王にならねばならないのだ
世界が 憎い
あの人と私を引き離した 世界が憎い
私を棄てた あの人が憎い
「ならばお前を棄てた我が父を
かの霊王を
私がお前で殺してやろう」
記憶はそこで 途絶えている。