第241章 380.Devil,Devil,Devil,Devil
臨がゆっくりと起き上がる。
「……白哉…」
「退がれ」
その言葉に 臨が何か言おうと口を開くも 白哉の言葉に押し黙った。
「兄には兄の仕事がある筈だ」
「………っ」
「尸魂界へ戻れ」
「しかし、戻る術が………」
「ヤレヤレ」
聞き覚えのある声に 臨の視線がそちらへ向く。
「この私が此処にいて ただ何も研究せずにいられると思われているとは 心外だネ」
「涅………っ!!」
「相変わらず不快な女だネ、芭蕉臨。まあ、今の私はとても気分が良い。キミの無礼は水に流してやろう」
「寛大ですね…その荷車に何か入っているのですか?」
マユリの後方にある荷車を 臨はさすと、彼はその通りと笑みを浮かべた。
「それだけじゃない!この貴重な戦利品を手に入れた場所で、黒腔の機構をも解析したのだからネ!しかもミス無く!時間も半永久!!奴の悔しがる様が見える様だヨ!!これで気分の良くない訳が無い!!無礼な猿の鳴き声を聞き流すくらい 訳無い事だヨ!!
準備しろネム!この猿を現世…いや、尸魂界に送った空座町に送るヨ!!」
「はい、マユリ様」
「待て、涅」
臨の声に マユリが視線だけを動かす。
「何かまだあるのかネ」
「私よりも、一護を現世に送ってやってくれないか」
「何言ってんだ臨!?」
「却下だ」
マユリの声が 無情に響く。
「これは実験、君は験体一号だ。拒否権も決定権も君には無いんだヨ!」
「消耗してる私よりも、一護が向かった方が 藍染に勝てる可能性がある!それに一護はっ」
「それならば 私も一緒に参りましょう」
臨の前に 卯ノ花が降り立つ。
それにマユリは目を細めると ゆっくりと口を開いた。
「自ら進んで験体志願とは…酔狂な事だネ、四番隊隊長」
「あら、私は貴方を信頼しているのですよ涅隊長。大丈夫、この実験は必ず成功します。
虚圏にまで来て 破面の科学者の資料を使って解析した黒腔が、失敗しました では浦原喜助に笑われるでしょうから」