第228章 -108.TURN BACK THE PENDULUM
百十年前
「お早う」
「おはようございます お久しぶりです 先生!」
「お早う 鈴木さん」
「おはようございます!」
「お早う 後醍醐くん」
「臨先生!」
「…………お早う 惣右介」
芭蕉臨が瑠璃色の瞳を ゆっくりと藍染へと向けると 彼は息を飲んだ。
「…………っ先生 護廷にはいつ戻られるのですか?」
震えそうなその声に、彼自身思わず自嘲したくなる。
しかし、それに気にした様子もなく 臨は少し考えるような素振りを見せ ゆっくりと口を開いた。
「いつ………と言われてもなあ ルキアがしっかりするまでは戻れないし まだまだ先になると………っと 真子はいるか?」
「隊長なら 五番隊首室に。何かご用ですか?」
「用が無きゃ 来ちゃいけないか?」
「い、いえ、そういうわけでは……!ただ珍しいと思いまして、先生がわざわざ、それも五番隊の隊舎にくるなんて」
その様子に臨は思わず笑うと、意地悪な質問だったなと優しげな声を出した。
「まあ、用はあるんだかな。今日は喜助の新任の儀だろう?仲良くしてやってくれって各隊長に挨拶にな。ほら、アレも一応私の教え子だから」
「……本当にそれだけですか?」
「ああ それだけだ。おーい 真子 開けるぞー」
五番隊首室に着くなり 無遠慮に臨が扉を開ける。
「き きゃ〜〜臨サンのエッチ〜〜〜〜」
平子のその声に 臨は少しイラっとしたようで 睨みつけるとまあまあと藍染は宥めた。
「しっかりと服を着た奴にエッチと言われてもな」
「いややわー、ノックも無しに声かけだけでいきなり扉開けるんやもの、もしもオレが着替え中のヌードやったらどないすんねん?」
「その粗末な逸物を今すぐ斬り落としてやろうか?言っとくが私は抜刀には自信があるぞ」
「冗談やんけ!」
すると、平子は惣右介もなんか言ってやと視線を向け、あることに気がついた。
「って、何やお前 お祭りやからキラキラのカッコしてこい言うたやろ」
「隊長こそ。僕だけ面白い格好させようとしてもダメですよ。そもそも今日はお祭りじゃなくて式典です」
「お祝いやからお祭りみたいなモンやろ」
「違います」