第15章 15.Jumpin'Jack,Jolted
「ああちくしょう!見失っちまったじゃねーか!俺を!!」
「モラトリアムだな。」
わかりづらいツッコミである。その様子を横目で見ながら、臨は死神化し鬼道で一護の肉体の在り処を探していた。
「 ………。」
シラっとした空気が流れる。
それでも一人騒ぐ一護。臨はふうとため息を吐くと、ごめんなさいと声を漏らした。
「調べられる範囲では、見つけられませんでした……」
しょんぼりとする臨に、ルキアが心配そうな顔をする。
「きちんと一度調べて置くべきでした……これは私のミスです。」
自己嫌悪に陥る臨。その様子に一護も心配し始める。
「な、なっちまったもんは仕方ねーよ……それよりも、その改造魂魄って、何なんだ?」
「………」
臨が顔を上げる。
「嘗て、ソウルソサエティで尖兵計画という計画が持ち上がったことがありました。」
「スピアヘッド?」
「ええ、死んで魂の抜けた肉体に戦闘に特化された魂を注入し、それをそのまま対虚用の尖兵として使おうという………計画です。」
一護の顔が青ざめる。
「それって」
「ああ、だがしかし、あまりにも非道だということで完全成立前には廃案にはなったのだ、しかし」
「実験的作られていたら戦闘用擬似魂魄というものがあります。それが改造魂魄……それが何らかの原因で今回紛れ込んだのでしょう」
全て廃棄されたのですが、まだ残っているものがあったとはと呟く。
「ちょっとまてよ、ってことはナニか?あいつは、改造魂魄はオマエら尸魂界の都合で作られて、尸魂界の都合で殺されるってことかよ」
そう言う一護に、臨が渋い顔をする。
「尸魂界の掟で、改造魂魄は破棄しなければならないのです。そして、尸魂界の掟というのは君たち人間の魂を守るために定められているのですよ。」
冷たい声色に、一護の顔が強張る。
「行きましょう、身体を取り返すのでしょう?」
あいつは、俺の体を手に入れて、どんな気分なのだろう
勝手に生み出されて勝手に殺されることになって、何とかソコから生き残ってやっと体を手に入れたけど……そこでもやっぱりにげまわんなきゃいけねぇ。
それって、どんな気分なんだよ……