第209章 ???.汝、緋の暁にて真実を問う
私 緋真と芭蕉臨が初めて出会ったのは南流魂街78区 犬吊
私とルキアは 生前 戦というものの所為で村を焼かれ この 地獄とも呼べる流魂街78区へと死神の手で送られた。
いや むしろ 地獄の方がまだマシだったかもしれない。
殺しも 盗みも 最早常識と化したこの区に現れたその人は 私にとっては神様にも等しくて
「全く、こんな幼い女の子を寄ってたかって……少しは恥を………」
「ごめんなさい!!」
この人なら この神様ならば ルキアを守ってくれると思った。
それから私はその場を凄い勢いで走り去り 犬吊から飛び出した。
それから 再開したのは しばらくしてから。
私は流魂街で 神様と再会した。
「私は 真央霊術院で鬼道を教えている芭蕉臨という。気軽に臨先生と呼んでください。……どうです 霊術院に入りませんか?」
濡烏のような美しい黒髪に 不思議な色合いの瑠璃色の瞳。
罪悪感と 再会できたという喜び。
「ーーーん?どうしました?」
「ああ ならば 霊糸をつかって蒼火墜を使ってみるといいかもしれませんね」
「護廷に?………まあ 大変ですがいいところですよ」
「ーーそうだ 緋真!キミは六番隊に来なさい!……まあ贔屓と言われれば贔屓かもしれないが 私の指導は厳しいからなぁ。むしろ目をつけられて不幸かもしれないなあ」
どうしようもなく幸福だった。
「緋真 キミはなんで死神になろうと思ったんだ?
「ーーー私は 生き別れた……妹を探してて」
「……そうか 私にも血は繋がらないが妹がいてな」
直ぐに 私の妹のことだとわかった。
この神様は 大切にしてくれていたのだ 私の 妹を。
「見つかるといいな」
「…はい」