第187章 263.Unexpected
「あの夜 戦いの直後から崩れ始めていた俺の霊体は 志波家でお前に別れを告げた後 粉々に砕け散り そしてそのまま虚圏へと飛ばされた。あの虚は藍染の実験体だ。破壊されると虚圏へ飛ばされ 再構成される そういう仕掛けが施されていたらしい。俺と霊体融合した虚は 再構成されると俺の姿になった ここまでは連中の計算通りだったろう。だが その霊体を支配していたのは どういう訳か俺の精神だった……」
すると海燕は唐突に人差し指を立て 大きな声をあげた。
「まァ 要するに 俺のハガネの精神力が 連中の計算を上回ったってことだな!」
ふざけたその様子に ルキアは一瞬キョトンとすると 真剣な話ではなかったのかと動揺した。
「だって オマエずっと暗いカオしてんだもん……」
「マジメな顔です これは!!」
「わかったよ そんなおこんなよ……ーーーーともかく 俺はこうして体を取り戻した。そして 十刃の一人とすり替わって 藍染を討つ機を窺っていたんだ……………表 青空だったろ?あの青空は 虚夜宮の天蓋の内側に藍染が創ったものだ あの青空の光が差し込む場所は 全て藍染の監視下にある」
「ーーーな……」
「俺の所へ来たのが朽木 お前で良かった……今から話す作戦は 恐らくお前以外の奴にはこなせねえ………場所を移す こっちへ来い 朽木」
「はい!」
ルキアは彼へと近付く。
次の瞬間 ルキアの眼前へと刀の先が近付いた。
血が吹き出 砂埃が舞った。
「……かい…………」
「何だ 腕を上げたな クチキ」