第183章 254.チョコラテはここに置いて行け
一護へと襲いかかる凶刃
しかし その刀は地面へと落ち 代わりに臨が剣を納め ドルドーニに背を向けた。
「行きますよ 一護」
三人が その場を離れていく。
その霊圧の移動にドルドーニは高らかに笑うと 目の前に現れたその人物たちに声をかけた。
「……ようこそ 葬討部隊諸君」
「…負傷した侵入者を追討せよとの命令です」
「誰のかね?」
「申せません」
「ここを通りたいかね?」
「……貴方は剣も折れ 刀剣解放もままならぬ状態…………その様な御体で 我々と戦えるなどと思われませぬよう………!」
言うじゃないかね 小僧共
ぼうや
吾輩の力は衰えた
恐らくぼうやは 虚化せずとも吾輩を倒せただろう
だがぼうやは虚化してくれた
それが自らの急激な消耗を招くと知りながら
感謝する
これが吾輩からの せめてもの礼だ
ここから先の住人は 吾輩の様に甘くは無い
敵を斬ることに 迷うな
止めを差すことに 躊躇うな
況してや傷を癒すなど 言語道断だ ぼうや
甘さは此処に置いて行け
鬼になるのだ ぼうや
鬼の様に強く
鬼の様に悪辣に
冷酷さに耐えるには
冷酷になるより 道は無いと知らねばならぬ
然もなくば ぼうやーー