第176章 247.United On The Desert
三人の様子を見て 一護はふと気がついた。
「そーいやオマエら そのマントどうしたんだ?どっかで拾ったのか?」
するとルキアは少し悩んだあと 渋々と口を開き 渡されたのだと答えた。
「これは……虚圏は砂埃がひどいから持っていけと渡されたのだ……」
「誰に?」
「……………兄様に」
その言葉に 一護 石田 茶渡は衝撃を受けた。
あの あの白哉がかと
「じゃっ……じゃあオマエらを虚圏に送ったのって白哉かよ……!?」
「黒腔を開いてくれたのは浦原さんだけどな 現世に来れたのは隊長のお陰だ」
恋次がそう言うと 更に一護が驚く。
「……兄様は…私が受けたのはお前達を連れ戻せという命だけだ 連れ戻した後どうしろという命までは受けてはいない 好きにするがいいーーーーと……」
「うおおおおお……そっか……あの白哉がなあ……」
ズイブン丸くなったもんだと思っていると 先程からチラチラと視線を何処かへと泳がせていた臨が 口を開いた。
「そ……その それより 一護 そこの虚みたいな子達は一体……」
「ん?そいつらか?そいつらは……」
「よくぞ聴いてくれた!!」
すると近くにいた 褌を履いたそれは叫び その近くにいた二人と仲良く並んで自己紹介を始めた。
「ネル・トゥ!!」
「ドンドチャッカ!!」
「ペッシェ・ガティーシェ!!三人揃って」
「怪盗ネルドンぺ!!!」
「グレート・デザート・ブラザーズ!!!」
「熱砂の怪力三兄弟!!!」
「揃ってませんよ」
臨のツッコミも虚しく 三人が兄弟喧嘩を始める。
それを臨は愛おしそうに見つめていると その様子に一護は訝しげながらもルキアにそういうわけで全員虚だと告げた。
「……姉さんは可愛いものが好きだからな」
「かわいいのか アレ」
虚夜宮の前に一行がたどり着くと 臨は壁にそっと触れた。
「……殺気石 ではないですね。皆さん 下がっていてください」
臨が斬魄刀を抜くこともせず 目の前に掲げる。
「………ふっ」
息が吐かれた次の瞬間 壁は綺麗に 長方形へと跡形もなく消え去った。