第175章 240.regeneration.
ーーーようこそ
我らの城 虚夜宮へ
「………井上織姫 と言ったね」
真っ白な玉座から 藍染は織姫を見下ろしそう言うと早速だけどと告げた
「織姫 君の能力を見せてくれるかい」
「…………は……い……」
その藍染の様子に 織姫はぞくりとする。
「どうやら 君を連れてきたことに納得していない者と居るようだからね………そうだね?ルピ」
ルピ と呼ばれたその人物は 既に満身創痍で 織姫を睨みつけると当たり前じゃ無いですかと声を荒げた。
「ボクらの戦いが全部 こんな女一匹連れ出す為の目くらましだったなんて……そんなの納得できる訳ない………」
「済まない 君がそんなにやられるとは予想外でね」
「…………!」
悔しそうに歯ぎしりするルピ
「……さて そうだな 織姫 君の能力を端的に示す為に グリムジョーの左腕を治してやってくれ」
すると ルピはまさかと笑い飛ばした。
「バカな!そりゃムチャだよ藍染様!!グリムジョー!?あいつの腕は東仙統括官に灰にされた!消えたものをどうやって治すってんだ!!神じゃあるまいし!!」
「……双天帰盾」
織姫がグリムジョーの腕に手を掲げる。
「私はーー拒絶する」
光がグリムジョーの腕を包むと ルピはさらにバカにしたように笑い やめとけと叫んだ。
「おい!聞いてんのか女!!命惜しさのパフォーマンスならやめとけよ!!できなかったらお前を殺すぞ!!その能力ってのがニセモノなら お前みたいな奴を生かしとく理由なんか…………ない…ん…………」
グリムジョーの腕から 骨が生えて 肉がつき みるみるうちに手の形を形成していく。
それに ルピは絶句した。
「な……何で………回復とか…そんなレベルの話じゃないぞ…………一体何をしたんだ女……!?」
「解らないかい ウルキオラはこれを時間回帰 若しくは 空間回帰と見た」
「バカな……人間がそんな高度な能力を……そんな訳ないだろ!!」
「その通りだ どちらも違う
これは 事象の拒絶 だよ」
「な………」
「彼女の能力は 対象に起こったあらゆる事象を限定し 拒絶し 否定する。何事も起こる前の状態に帰すことのできる能力だ。それは時間回帰や空間回帰よりも更に上 神の定めた事象の地平を易々と踏み越える
神の領域を侵す 能力だよ」