第165章 223.THE Scarlet Creation
「………藍染の…真の目的……!?」
日番谷が驚愕していると 元柳斎は如何にもと頷いた。
その様子に織姫は狼狽し 席を外そうと振り向いた。
『待ちなさい おぬしら人間にも関係の有る話じゃ。……聞いていきなさい』
そう 元柳斎が織姫を引き留める。
すると織姫はそこに立ち止まり 恐る恐るモニターへ視線を向けた。
『……藍染が消えてから一月。藍染が起臥しておった五番隊隊首室 そして潜伏しておった四十六室地下議事堂 清浄塔居林 及び 大霊書回廊の捜査が続いておるのは知っておるな。………中々に難儀しておるよ。何せ大半が禁踏区域じゃ 隊長格ですら内部を知る者は殆どおらんのじゃからの』
すると日番谷は前置きはいいと視線を真っ直ぐ 元柳斎へとぶつけた。
『……大霊書回廊の捜査を担当しておった浮竹が 先日その中で妙な痕跡を発見した。崩玉とそれに付随する研究資料にのみついておった既読記録が 一度だけ 藍染の消える二日前に 崩玉とは全く無関係な書物についておったのじゃ』
「ーーー……それは……?」
『王鍵』
臨の口から 息が漏れる。
その様子に 織姫は只事では無いと察すると 乱菊は王鍵について説明をし始めた。
「王家の鍵 よ。文字通りね。尸魂界にも王家ってのがいるのよ。王っていっても 尸魂界のことは四十六室に任せっきりで一切干渉してこないから実感ないし 実際あたしも隊長も 臨も直接見たことは一度もないんだけどね。」
『然様 王は名を"霊王"と言い 尸魂界にあって象徴的でありながら 絶対的な存在。その王宮は尸魂界の中の更に別の空間に存在し 王属特務が守護しておる。王鍵 とはその王宮へと続く空間を開く鍵じゃ』
「それじゃあ 藍染……さんは その王様を…」
織姫がそこまで言うと 元柳斎は殺すだろうと告げた。
『じゃが 問題は其処では無い』