第161章 212.You Don't Hear
高らかに笑う破面に 臨の顔が歪む
「上等じゃねえか死神!!これでようやく 殺し甲斐が出て来るってモンだぜ!!」
臨が目を細め グリムジョーの傷の程度を確認する。
(………傷が 浅い。祀刃の威力であの程度か………)
止まらない血に 臨が舌打ちをする。
これ以上の無茶は 確実に命に関わるだろう。グリムジョーの関心があるのは自分だ。もしも自分が戦えなくなれば 他の誰かがーーー
そう思うと臨はゾッとし 再び剣を構えた。
「次は こっちの番だぜ」
グリムジョーが刀を構える。
直後 その背後に見覚えのある人物が現れ グリムジョーと臨は目を大きく見開いたを
「刀を納めろ グリムジョー」
「東仙……!」
その人物に 臨が大きく反応する。
「なんでてめえがここに居んだよ!?」
グリムジョーがそう叫ぶと 東仙は何故かだとと眉間に皺を寄せた。
「解らないか 本当に?」
ヒヤリとした空気が 流れる。
「独断での現世への侵攻…五体もの破面の無断動員 及びその敗死ーーーーそして芭蕉臨との接触と戦闘 全て 命令違反だ。
ーーわかるだろう 藍染様はお怒りだ グリムジョー」
東仙が踵を返す。
「行くぞ お前への処罰は虚圏で下される。」
「………ちっ …わかったよ」
2人が背を向けると 臨は声を荒げた。
「待て!!まだ勝負はついてないだろ!!」
その声に グリムジョーが反応する。
「……まだ勝負はついてねえ だと?」
グリムジョーの視線が 臨へと突き刺さる。
「勝負がつかなくて命拾ったのは てめえの方だぜ死神。
卍解も 始解すらもする気がねえ おまけにさっきの斬術ってやつは 俺に少し傷をつける程度だ。だが 仮に卍解したとしても てめえに解放状態の俺は倒せねえ」
「………解放…状態 だと……?」
「俺の名を 忘れんじゃねえぞ。そして二度と 聞かねえことを祈れ
グリムジョー・ジャガージャック
この名を次に聞く時が てめえの最後だ
死神」